来校ゲスト帖
11/3(日) 声優:小野友樹さん・高橋信さんゲストトークショー
11月3日(日)アニカレの学園祭、橙美祭2013のトークショーゲストとして、TVアニメ「黒子のバスケ」火神大我役、「めだかボックス」 人吉善吉役 でおなじみの声優の小野友樹さんと、本校声優学科卒業生で小野さんと同じアトミックモンキー所属の高橋信さんのお二人をお招きしてトークショーが開催されました。
Q.『黒子のバスケ』第2期、おめでとうございます!
第2期の火神はここが違うぞ!!というところはありますか?
A. 第1期では見られなかった英語だけで会話をするという、『アメリカ帰りだぞ』というシーンがあります。そのために英会話を習いに行ったのですが、先生のお名前がMr.グリーンだったので……緑間かっ!!(場内爆笑)って…(笑)。
原作のマンガのシーンから台詞を抜き出して、1ヶ月くらい特訓していたんですけど、アニメの台本では台詞が変更されいる所もあったので、グリーンさんに特別授業をしてもらって、本番に間に合わせました。
学校長注:私もその話数見たんですけど、確かにとっても流ちょうな英語だったので、小野さん、凄いな..と思っていました。画面だけでは分からない努力..プロの皆さん、やっぱり凄いですね。
それから、2期の火神は、人としても、バスケットプレイヤーとしても成長する。人との接し方やバスケットへの関わり方も変わってきている、過渡期でもあるように思いますので、それがお芝居にも反映されていると思います。
Q.『銀魂』の徳川茂茂のような奇想天外な役をやるにあたって、何か気をつけていらっしゃることはありますか?
A.奇想天外とよく言って頂くんですが、実は将軍は至って普通なんですよ。 あくまでも将軍として、市民のために、誠実に取り組もうしているのですが、キャバクラでひどい目にあったりとか、スノーボードにさせられたりとかね。ひどいブレーキをかけさせられたりしたこともありましたけど…(笑)あくまでも普通なんです。なので、お芝居としては、とつとつと真面目な将軍を演じています。
そうしたら、原作の空知先生から、小野さんはキャラを掴んでいると仰っていただけたので、とても嬉しかったですね。
『銀魂』の現場の雰囲気は、とても楽しいです。お芝居をしていても、皆で我慢しきれずにクスッと笑ってしまったり…。本来、アフレコの現場は真剣勝負なんですが、それでも笑いが起きるくらい、原作者の方の想いや、作り込まれた台本、そして役者の方々の作品作りへの想いが素晴らしいんだと思います。
Q.現場で心掛けていらっしゃる事はありますか?
A.[卒業生:高橋さん]
空気を読むこと…ですね。仕事で、杉田智和さんや小清水亜美さん達といっしょにフリートークをさせて頂く機会があったのですが、活躍されている先輩方を前に緊張してしまって、思うように話せなかったことがありました。そういった経験も糧にして、今後は、経験を積んでしっかり仕事をこなしていきたいと思っています。
A.[小野さん]
(アフレコの現場では)キャラにお芝居をのせることはもちろんなんですが、色んな声優さんとのコミュニケーションをとる中で、いかに自然体で繋がれるか。そして、出来れば楽しくお芝居が出来るように心掛けています。
Q.役作りで行き詰まったとき、どうされますか?
A.[小野さん]
最終的には現場で解決ですね。あまり現場へ行く前に演技を固めすぎてしまうと、本番で他の役者さんとの絡みがおかしくなったり、監督の意向を反映できなかったりすることもありますから。でも、これは現場の話しで…質問は学校でのことですよね。逆に校長先生、こういう質問が来たらどうされますか?
A.[校長]小野さんからの逆突っ込みを受けて回答
万人に共通しないかも知れませんが、もし私がそういう質問を受けたら、一度、その演技について忘れた方がいいと答えるでしょうね。現場だと、その場で答えを出さないといけないですから、そんな悠長な事を言っていられませんが、学校なら、『まだ来週まで時間がある』『あと一ヶ月かかってもいい』という時間の猶予が必ずあるはずです。
そんな時は、一度その演技を全く忘れて、違うことに取り組んでみる。そして気持ちがリセットできた頃に、もう一度やり直してみると、意外にすっと出来たりすることもあるようです。
A.[小野さん]
また、現場では、『まずやってみよう』『まず、音にしてみよう』ともよく言われます。
思い切ってやってみることも大切でしょうね。
Q.人前で緊張するタイプです。どうやってリラックスしてらっしゃいますか?
A.[高橋さん]
僕も緊張するタイプなんですが、さっき本番前、舞台袖で小野さんにくすぐられて(笑)だいぶ緊張がほぐれました。心もそうなんですが、体もほぐれるんですよね。体が固まってしまうと良い芝居も出来ないので、まず体から緊張を解くことが大切だと思います。
A.[小野さん]
基本人間って緊張しますよね。僕も凄くする方なんですが、本番が始まって、声を出し始めると
すっと入っていけて、何でもなくなるんです。
ですから最近は緊張する自分を受け入れるようにしています。緊張している自分を許してあげる。
いっその事、携帯か何かに『緊張してもいいんだよ』って自分で録音して、それを緊張した時に聞くのもいいかもしれません。とにかく、緊張スパイラルに落ち込んで自分を苦しめないことですね。
Q.最後に、小野さんにとって声優の『プロフェッショナルとアマチュアの違い』とは?
A.気持ちの上では学生の頃から『声で何かを演じる』というのは変わらないんです。昔から録音機器を買って色んな作品を作ったりしていましたから。
変わったところは、オーディションにせよ仕事にせよ、『求めて頂けた時に応えられること』が『プロ』と『アマチュア』の違いなんだろうと思います。
それから『名前』『事務所』『後輩』を背負う。背負うものが増えていくことも『プロ』だと思います。
ただ、声のお芝居をする上ではそんな『背追い感』を出すのではなく、好きなことを仕事に出来ている幸せを感じながら、楽しく演じることが一番なのかなと思います。
最後に、参加者全員と記念撮影をし、この日のゲストトークショーは終了しました。集合写真はポストカードにして参加者全員にプレゼントします。楽しみにしていてくださいね!小野友樹さん、高橋信さんお忙しい中、ありがとうございました。
なお、当日の午前中は恒例の在校生向けのトークショー!
いつか現場で出会う後輩達に大先輩の小野さんから熱いメッセージを頂き、声優や演技について多くを学ぶことができました。 自分も高橋先輩に続こうと目標を新たにした学生も多くいたのではないでしょうか?